研究課題/領域番号 |
09630123
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
秋野 晶二 立教大学, 経済学部, 助教授 (50202536)
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研究分担者 |
小野 隆生 東邦学園短期大学, 経営情報科, 教授 (40194592)
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キーワード | セル生産方式 / トヨタ生産方式 / JIT / オープン・ネットワーク / 自律・分散化 / フレキシビリティー / 世界最適生産 / モジュール生産 |
研究概要 |
90年代に入り、平成不況の長期化と円高による海外進出の増加に伴い、かつて賞賛を浴びた日本的生産システムに対する反省が論じられるようになってきているが、そのような中で日本の製造業における生産方式は大きく三つの流れに集約できる。その第一が、これまでの流れを汲む自動化であり、CADやCAEによる設計やシュミレーション機能の自動化が進められている。第二は、オープン・ネットワーク化で、これはさらに二つに分けられる。ひとつは企業間あるいは拠点間のネットワーク化(たとえばイントラネットやEDI)による生産の効率化であり、今ひとつが工場内におけるME機器相互のインターフェイスを標準化するオープン化(たとえばNCのオープン化)である。そして第三は、セル生産方式、あるいは一人生産方式に典型的に見られるコンベアラインの解体・再編による生産方式の変革である。 今回の調査では、特にセル生産方式を中心に文献・新聞を整理し、また企業訪問を行った。調査の結果、セル生産方式は、これまでの量産型の生産システムを支えた直線型のコンベアラインが解体され、U字型などに並べ替えた小規模ラインを構築し、そこにひとりないしは数名の小人数の作業者がこのラインの工程すべてをこなしている。こうしたシステムによって、多品種少量生産への対応が可能となる一方、逆に量産への対応が困難となる。現在のエレクトロニクス産業を典型とする日本企業が、海外生産の増加や国内市場における価格競争と差別化競争が同時に熾烈となってきた状況において、少量生産でも利益の上がる生産方式が模索され、そうした必要に迫られて、新たな方式としてセル生産方式が構築されるようになったことがわかった。次年度においては、この方式の歴史的な位置づけを行うために、視点を絞って研究を続けたい。
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