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1997 年度 実績報告書

生産の国際的展開と新生産方式の発展に関する理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09630123
研究種目

基盤研究(C)

研究機関立教大学

研究代表者

秋野 晶二  立教大学, 経済学部, 助教授 (50202536)

研究分担者 小野 隆生  東邦学園短期大学, 経営情報科, 教授 (40194592)
キーワードセル生産方式 / トヨタ生産方式 / JIT / オープン・ネットワーク / 自律・分散化 / フレキシビリティー / 世界最適生産 / モジュール生産
研究概要

90年代に入り、平成不況の長期化と円高による海外進出の増加に伴い、かつて賞賛を浴びた日本的生産システムに対する反省が論じられるようになってきているが、そのような中で日本の製造業における生産方式は大きく三つの流れに集約できる。その第一が、これまでの流れを汲む自動化であり、CADやCAEによる設計やシュミレーション機能の自動化が進められている。第二は、オープン・ネットワーク化で、これはさらに二つに分けられる。ひとつは企業間あるいは拠点間のネットワーク化(たとえばイントラネットやEDI)による生産の効率化であり、今ひとつが工場内におけるME機器相互のインターフェイスを標準化するオープン化(たとえばNCのオープン化)である。そして第三は、セル生産方式、あるいは一人生産方式に典型的に見られるコンベアラインの解体・再編による生産方式の変革である。
今回の調査では、特にセル生産方式を中心に文献・新聞を整理し、また企業訪問を行った。調査の結果、セル生産方式は、これまでの量産型の生産システムを支えた直線型のコンベアラインが解体され、U字型などに並べ替えた小規模ラインを構築し、そこにひとりないしは数名の小人数の作業者がこのラインの工程すべてをこなしている。こうしたシステムによって、多品種少量生産への対応が可能となる一方、逆に量産への対応が困難となる。現在のエレクトロニクス産業を典型とする日本企業が、海外生産の増加や国内市場における価格競争と差別化競争が同時に熾烈となってきた状況において、少量生産でも利益の上がる生産方式が模索され、そうした必要に迫られて、新たな方式としてセル生産方式が構築されるようになったことがわかった。次年度においては、この方式の歴史的な位置づけを行うために、視点を絞って研究を続けたい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 秋野晶二: "日本企業の国際化と生産システムの変容(下)" 立教経済学研究. 51. 29-55 (1997)

  • [文献書誌] 小野隆生: "現代企業の構造転換と歴史認識-企業「批判」を超える" 情報問題研究. 9. 12-25 (1997)

  • [文献書誌] 小野隆生: "日本的生産システム-その歴史的意義と限界-" 『現代経営学総論』(松永美弘編,海声社). 195-206 (1997)

  • [文献書誌] 小野隆生: "日本型生産システムの限界とその構造転換" 『日本型経営システムの構造転換』(長谷川広編、中央大学出版例). 255-281 (1997)

  • [文献書誌] 小野隆生: "ネットワーク型組織構造の形成" 『電子情報ネットワークと産業社会』(野口宏・貫隆夫・須藤春夫編著、中央経済社). (近刊). (1998)

  • [文献書誌] 秋野晶二: "企業の国際化とグローバル情報ネットワークの展開" 『電子情報ネットワークと産業社会』(野口宏・貫隆夫・須藤春夫編著、中央経済社). (近刊). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2014-05-02  

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