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1998 年度 研究成果報告書概要

外国企業の対日進出と進出形態に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09630125
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 経営学
研究機関早稲田大学

研究代表者

長谷川 信次  早稲田大学, 社会科学部, 助教授 (90218446)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
キーワード多国籍企業 / 直接投資 / 提携 / 外資系企業 / 外資規制 / 立地優位性
研究概要

80年代後半にようやく本格化し始めた海外からの対日直接投資が、90年代半ば以降、急増している。日本の対内直接投資/対外直接投資は欧州諸国の数字とほぼ肩を並べるようになったが、国内の外資系企業の存在はいまだ小さい。
外国企業による対日進出がこれまで低調だった理由として、直接投資の受入れを妨げる要因の存在が指摘される。しかし外資規制や系列など、これまでの制度的・非制度的障壁は、今日ではすでに撤廃されたか、かなりの程度まで緩和された。またかつて外資にとってあまり魅力的でなかった日本市場も、不動産価格の下落や流動性の高い雇用市場の創出などにより、その立地優位性は高まりつつある。
ところで直接投資の規模だけで、日本経済に占める外国企業のプレゼンスを測るのは誤りである。日本企業に対する技術やブランドのライセンス供与、販売提携、委託生産、共同研究開発などは、直接投資に含まれないものの、こうした日本企業との広い意味での提携が、過去も現在も重要な役割を担っている。外国企業が直接投資よりも日本企業との提携を選好するのは、取引コストを節約するためである。日本では、一方では、長期継続的取引の重視や高いビジネス・コストが参入障壁となって内部化コストは高い。他方、信頼関係をベースに市場の取引コストが低くなる傾向が強い。外資規制が長かった時代の履歴効果も、取引コストを抑えるように作用した。
また、今日の在日外資系企業の役割も大きく変貌している。かつての外資系企業は、本国で獲得した競争優位を利用して、最大限のレントを引き出すための子会社に過ぎなかった。しかしいまや欧米企業の在日子会社は、研究開発の重要な役割を担い、子会社内部に蓄積した経営資源を積極的に他のメンバーに移転することで、多国籍企業グループ内での戦略的リーダーの役割を果たす存在へと変わりつつある。
これからの日本経済の活性化のためには、外資系企業の積極的な誘致はもとより、日本企業との提携を促し、在日子会社が多国籍企業グループの中でより戦略的な役割を担えるよう、いっそうの環境整備が求められている。

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公開日: 2001-10-23  

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