本研究プロジェクト「第2年度」においては、次の3つの課題について研究を行った。 (1) 第1に、国際会計基準委員会(lASC)の概念的フレームワークを採り上げ、アメリカFASBのフレームワークと対比することによってその特徴を浮き彫りにするとともに、IASC金融商品プロジェクトを例に採り、IASC概念的フレームワークがどのように適用されているか、その適用の在り方について検討を行った。 (2) 第2に、アメリカ、オーストラリア、日本などを例として国際会計基準の導入に対する対応について分析を試みた。具体的には、会計基準のバリエーションとその類型化、会計基準の調和化の方向、および基準設定主体と設定プロセスの特徴を考察し、解明を試みた。併せて、日本企業のグローバル化、海外進出という視点から連結会計の在り方を検討し、会計基準の調和化に向けて一つの問題提起を試みた。 (3) 第3に、世界11ケ国の企業を対象とした国際会計基準の導入に関する総合的調査結果を取りまとめ、「日本企業」対「欧米企業」との比較分析を通じて、国際会計基準の導入・利用実態を明らかにするとともに、その受入れに対する経営管理者の意識状況についての特徴的側面を分析した。 以上の研究成果を踏まえ、「第3年度」においては本研究プロジェクト全体としての取りまとめを行い、最終報告書の完成を目指すことにしたい。
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