研究分担者 |
斉藤 毅 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (70201506)
桂 利行 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40108444)
織田 孝幸 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (10109415)
寺杣 友秀 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50192654)
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研究概要 |
代数多様体の構造を研究するための有力な手段として,多重標準形式を用いる方法がある.例えば,m-重標準形式全体のなすベクトル空間の次元のmに関する増大度が小平次元であり,代数多様体の分類をするための基本的な道具になる.代数多様体上の対数的多重標準形式と,部分多様体上の多重標準形式を比較することは重要な問題となる. 滑らかな代数多様体Xとその上の滑らかで余次元1の部分多様体Yを考える.例えば,Yがコンパクトな代数多様体でXがその変形族の全空間である場合などがこれに当たる.このとき,Y上の多重標準形式がX上の対数的多重標準形式に延長できるかどうかという問題を考察した.X上とY上には自然に乗数イデアル層の列が定義され,この延長問題は乗数イデアル層列の包含関係に帰着されることを示し,ある種の条件の下では延長定理が成立することを証明した.応用として,標準特異点の変形は再び標準特異点になることや,たかだか標準特異点のみをもつ一般型のコンパクトな代数多様体の変形族においては多重種数が一定になることなどが従う.
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