研究課題/領域番号 |
09640019
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
山田 裕理 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (50134888)
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研究分担者 |
石村 直之 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (80212934)
山崎 昌男 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (20174659)
町田 元 一橋大学, 商学部, 教授 (40090534)
岩崎 史郎 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00001842)
永島 孝 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00017526)
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キーワード | 頂点作用素代数 / ヴィラソロ代数 / 有限群 / 既約表現 |
研究概要 |
今年度は、宮本、ドング、メイソン、チュらにより進められていた頂点作用素代数の位数2の自己同型の研究、およびそれを調べるために考えられた中心電荷1/2のヴィラソロ頂点作用素代数のテンソル積による既約部分加群の直和への分解の研究を発展させ、位数3の自己同型に関する基本的な結果を得ることができた。すなわち、中心電荷1/2、7/10、および4/5のヴィラソロ頂点作用素代数3つのテンソル積のある種の表現を詳しく調べることにより、中心電荷4/5のヴィラソロ頂点作用素代数とその既約加群で最小ウエイトが3のものの直和の形の頂点作用素代数を構成した。さらに、この頂点作用素代数の既約表現を分類することができた。ヴィラソロ頂点作用素代数の既約表現はよく知られており、実際今年度の研究でもそのことをもとにしているのであるが、今回得られた頂点作用素代数は、ヴィラソロ頂点作用素代数にそれ自身の既約加群をひとつ付け加えた形をしており、興味深いものである。この頂点作用素代数は1980年代なかばに理論物理で考えられていたが、本研究においては、これをラティスから定義される頂点作用素代数の中に構成した。具体的に計算しやすい構成になっているので、性質を詳しく調べることができる。今年度の成果は、主として北詰正顕、宮本雅彦との共同研究により得られたものである。来年度は、今年度の成果をもとに、モンスターと呼ばれる散在型有限単純群のうち最大のものの位数3の元を調べること、および今回の頂点作用素代数の構成を一般化することを目標とする。
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