研究課題/領域番号 |
09640025
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
吉田 健一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (80240802)
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研究分担者 |
橋本 光靖 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (10208465)
岡田 聡一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (20224016)
向井 茂 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (80115641)
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キーワード | Linear Cohen-Macaulay module / Linear Buchsbaum module / multiplicity / homological degree |
研究概要 |
本年度の実績としては3つの成果を得た。一つは線型コーエン・マコーレー加群の一般化としての線型ブックスバウム加群を、ホモロジカル次数という新しい概念を用いて、さらに一般化することに成功したことである。ホモロジカル次数は、一年程前にヴァスコンセロスが導入した概念で、算術的次数と同様に計算可能な不変量である。今後の発展の可能性を探るため、今年度はノートパソコン及び計算ソフトを購入した。もう一つの成果は線型コーエン・マコーレー加群の表現論を展開する足掛かりを得ることに成功したことである。この方面の展開としては、すでにある極大コーエン・マコーレー加群の表現論に基づき、極大線型コーエン・マコーレー加群が有限表現型になるようなコーエン・マコーレー局所環を調べる方法をいくつか確立し、ある性質を持つコーエン・マコーレー局所環の場合には極大線型ブックスバウム加群に対しても同様にその表現論を展開する方法を提供した。この方面の成果発表は研究代表者が可換環論シンポジウム等で発表する形をとった。また、これらの研究に関連して、研究協力者として千葉大学の西田氏らを京都大学に招聘し、研究代表者(吉田)及び分担者(橋本)らも参加して成果発表のセミナーを行った。最後の成果としては、これらの線型加群の理論の発展などと関連させて、正標数の可換環論におけるある不変量を研究することに着手した。この研究は日本大学の渡辺氏とも協力して現在もなお続いている。この研究は本年度終わり頃から始めたため、研究成果として具体的な形はとっていない部分が多いが、すでに分担者(橋本)、研究代表者と渡辺氏らがそれぞれ独立に成果発表準備を進めている。また、次年度への展開としては、長野高専の宮崎氏らとも協力して、代数幾何学側面からの研究もより活性化していくべく、海外からの研究者を招聘することを視野に入れて進めることを検討している。
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