研究概要 |
課題(a)「拡大双対極空間の分類」に関して、階数3の場合に成果が得られた。 階数3の拡大双対極空間を、一点のresidueがgeneralized quadrangle(以下GQと略記)であることから、extended GQ(以下EGQと略記)ともいう。既知のEGQの例は、吉荒の先駆的な例を除き、一点のresidueであるGQは古典的であった。そこで非古典的なGQであるTitsのGQの双対を一点のresidueに持つEGQの無限系列を構成し、その自己同型群、普遍被覆等を決定した。(論文A construction...及び投稿中のその続編) ここでは5次元射影空間中のある種の性質を満たす平面族(Y-familyという)の構成が鍵であった。その後Y-familyはdual arcを多次元に拡張した概念として注目を集め、Thas, Cooperstein, Pasini, Del Fra, Huybrecht等多くの研究者の研究対象となっている。ある種のY-familyないしは高次元dual arcの分類問題が次年度の課題の一つである。 問題(b)「各単純群に対して(p-束縛な)p-radical subgroupsのなす単体複体を決定し、それとホモトピー同値な極小の複体を求める。」に関して次の成果を得た。 論文Some homotopy...及びThe Borel-Tits...において標数p型の単純群に対するp-radical subgroupsの分類が与えられたが、最近熊本大学の学生、澤邊氏はここで展開された手法を更に拡張して、Conwayの単純群Colの2-radical subgroupsを決定した。また、吉荒はThompson群の3-radical subgroupsを考察して、階数3の新たな幾何を得た。鈴木、原田群に対する結果も含め、詳細は昨年国際基督教大学で行われた集会のproceeding(英文しかしrefereeなし)に発表済みである。
|