研究概要 |
課題(a)について:研究分担者中川氏との毎月のゼミにおける検討、及び本年6月のイタリア・ミラノ及び7月の韓国・ポーハンにおける国際研究集会への参加者(特にPasini,Ivanov,van Dam氏)との討議を通じて、今後の発展方向について大きな示唆が得られた。すなわち極空間に埋め込める高次元双対弧の研究、ある種の交差性による吉荒双対超卵型の特徴付けの試み、多変数の曲がった関数と吉荒双対超卵型の関係、附随する距離正則グラフの族の研究などであり、それぞれ現在発展中である。 また、一般化された四辺形で点集合上に正則に作用する自己同型群を持つものの分類が試みられ、初等的な手段のみで、相当に強い制限が得られる事がわかった。 課題(b)について:Centric radical(中心的根基)部分群のホモトピー変形理論について、2000年末に澤辺正人氏(学振特別研究員)による美しい結果が得られた。これは研究代表者が予想した命題を越えた良い成果であるが、更に条件を緩められる可能性もあり、実例との付き合わせの必要性も増大した。 一方、研究代表者によるO'Nan群のradical部分群の分類に基づきradical chainの分類が得られ、その自己同型群中の正規化群の構造も定まる。これらの情報を用いて、宇野勝博氏(阪大理)との共同研究により、研究代表者はO'Nan群に対するDade予想が正しいことを示した。成果は現在論文として作成中である。
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