研究分担者 |
小松 弘明 岡山県立大学, 情報工学部, 助教授 (10178361)
池畑 秀一 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (20116429)
相川 哲弥 岡山大学, 理学部, 助手 (40032817)
佐藤 亮太郎 岡山大学, 理学部, 教授 (50077913)
田坂 隆士 岡山大学, 理学部, 教授 (60012407)
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研究概要 |
1. 入射加群Mの自己準同型環はどのようなときに単純アルチン環になるか,というArmendarizの問題を考えた.nonsingularな直既約入射加群やすべての剰余加群が入射的であるような組成列をもつ加群の自己準同型環は斜体になることを示した.またRが多項式関係をみたす半素右Goldie環であり,Mが直既約入射加群であるとき,End_RMが斜体になるための必要十分条件はMがトーションフリーになることであるという結果を得た.更にRが可換環,Mが直既約入射加群であるとき,End_RMが斜体になるための必要十分条件はP=Ann_R(M)がRの極小素イデアル,R_Pが体,そしてM〓R_Pとなることであることを示した.また,すべての直既約入射加群の自己準同型環 End_RMが斜体になるような環Rを特徴付けた.特に,可換環Rがこの性質を持つための必要十分条件はRがvon Neumannの意味の正則環になることであることを示した. 2. 非可換環の拡大R/Sの微分加群を定義し,基本的性質を調べ,半素環のbiderivationの理論に応用した.両側R-加群Mに値をもつRのderivation dがd(S)=0かつxd(y)=d(y)x(∀x,y∈R)をみたすとき,dをcentral S-derivationと呼び,それらすべての集合をCDer_S(R,M)と表す.CDer_S(R,-)は両側R-加群の圏からアーベル群の圏への関手とみなせるが,この関手は表現可能であり,その表現加群を微分加群と定義する.M.E.Sweedlerによって定義された非可換多元環のright derivationの微分加群の拡張にもなっている.この点をも活用して,半素環の対称的biderivationの特徴付けに成功した. 3. αを環Rのendomorphismとし、δをRのα-derivationとする.歪多項式環R[X,α,δ]の係数環の不変性を調べた.環Rが0と異なる巾等元を持たず,rがrα(r)=0を満たせばr=0となるときRはα-reducedであるという.Rがα-reducedな強正則環であるとき,Rは歪多項式環の係数環として不変であり,特に,R[X,α,δ]の任意の自己同型で不変であることを示した.環Rの任意の部分集合(resp.イデアル)の右annihilatorが巾等元で生成されるときRはBaer(resp.quasi-Baer)であるという.歪多項式環R[X,α,δ]がBaer(resp.quasi-Baer)になるためにRがみたすべき条件を求めた.
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