研究課題/領域番号 |
09640042
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
久田見 守 山口大学, 理学部, 助教授 (80034734)
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研究分担者 |
飯寄 信保 山口大学, 教育学部, 講師 (00241779)
片山 寿男 山口大学, 理学部, 教授 (00043860)
吉村 浩 山口大学, 理学部, 講師 (00182824)
菊政 勲 山口大学, 理学部, 助教授 (70234200)
大城 紀代市 山口大学, 理学部, 教授 (90034727)
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キーワード | 正則環 / 単純環 / 射影加群 / ダイレクト・ファイナイト性 / ユニット正則環 / 比較可能公理 |
研究概要 |
この科学研究の研究目的は、有限性をみたす正則環として代表的な、弱比較可能単純ユニット正則項及びs-比較可能な正則環について、(A)その環上の射影加群のダイレク卜・ファイナイト性の判定(B)ダイレクト・ファイナイト射影加群の有限個の直和はダイレク卜・ファイナイトとなるか((DF)性)というダイレクト・ファイナイト性の直和への移行問題(C)環の剰余環及び部分環は(DF)性を有するかという諸問題、(A)〜(C)の解決にある。今年度は、s-比較可能な正則環に焦点を絞り、上記の問題に対して以下の結果を得ることが出来た。 前年度の研究では、単純ユニット正則環上の射影加群がダイレク卜・ファイナイトである為の必要十分条件は、それが無限個の同型な零でない部分加群の直和を含まない事を、論文『On some properties of simple unit-regula rings』において証明した。しかし、より一般的なユニット正則環においては、この条件は成立しなしい。そこで直接的な方法で、s-比較可能公理を満たす正則環上のダイレク卜・ファイナイト射影加群の明確な形を決定し、これにより、s-比較可能な正則環が(DF)性をもつことを証明した。又、ダイレクト・ファイナイト射影加群の形によりs-比較可能な正則環は3つの型に分類されることを示し、それぞれの型の正則環の例も与えた。このことにより上記問題(A)、(B)は解決された。s-比較可能性は剰余環に移行するのでs-比較可能な正則環の剰余環も(DF)性を有することが得られた。これにより問題(C)の剰余環に対する解決が得られた。これらの結果は、著者の論文『On regular rings with s-comparability』(発表予定)に掲載されている。
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