研究概要 |
シュア環の中でも有限射影平面との結びつきの深い(n,r)型の3次元のシュア環について研究を行った.すなわち位数n^2の群Gの次数rのパ-シャルスプレッドから得られるシュア環については群Gのr個の位数nの部分群達に対応して分割G=S_0∪S_1∪S_2(S_1={1})で|S_1|=r(n-1),|S_2|=(n-r+1)(n-1)となるものが自然に得られてS^^⌒_0,S^^⌒_1,S^^⌒_2はC|G|の3次元の部分環を生成することが知られている.このときのS^^⌒_0,S^^⌒_1,S^^⌒_2間の関係式はS^^⌒_1^2=r(n-1)S^^⌒_0+(n+r^2-3r)S^^⌒_1+r(r-1)S^^⌒_2であることが容易にわかる.本研究では,一般に位数n^2の群Gのこれと同じ濃度の部分集合S_0,S_1,S_2に対してS^^⌒_0,S^^⌒_1,S^^⌒_2がC|G|の3次元の部分環を生成するとき(n,r)型のシュア環と呼んでこれが最初に述べたようなパ-シャルスプレッドから自然に得られる3次元のシュア環に一致するのかどうかについて研究を行った.まず,S^^⌒_0,S^^⌒_1,S^^⌒_2間の関係式がパ-シャルスプレッドの場合と一致するかどうかについては,シュア環の考察を詳細に行って次が分かった. 定理1 f(r)=4r^5-8r^4-2r^3+10r^2-3r-1とおくときn>f(r)ならばS^^⌒_0,S^^⌒_1,S^^⌒_2間の関係式はパ-シャルスプレッドの場合と完全に一致する。すなわちS^^⌒_1^2=r(n-1)S^^⌒_0+(n+r^2-3r)S^^⌒_1+r(r-1)S^^⌒_2が成り立つ. 定理1を用いること及びグラフヘの作用を利用して群からその不変部分群として位数nの部分群達を取り出す方法をにより次を得た. 定理2n>f(r)ならば(n,r)型のシュア環はパ-シャルスプレッドから自然に得られる3次元のシュア環に一致する.
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