研究概要 |
Greenberg予想について以下述べる結果を得た。 pを素数,K(適当な条件を満たす)虚abel体,Koo/Kを円分Z/p拡大,Knをそのn番目の中間体とする。Kooのideal類群Aooに付随して、岩澤不変量λ,μが定まる。これは、Kの基本的不変量である。μ=0は既知である(FerreroとWashington)。λはλ=λ^++λ^-と自然に分解できる。λ^+、λ^-はそれぞれA∞の偶部分A^+∞、奇部分A^-∞に対応している。λ^-については、p進L関数との関連で良く分かっている(MazurとWiles)。λ^+については、λ^+=0が予想されている(Greenberg予想)。これについて、(有限個の)数値例の範囲では正しい事が分かっているが、一般的には何も分かっていない。当面、予想の手がかりをつかむ事が大事である。 Knのsemi-local unitsの群をUn,Knに付随するGauss和達のUn内での閉包をGnとする。私は、A^+∞と、逆極限U/G=lin__← Un/GnのGalais加群としての構造が一致する事を証明した。従って、λ^+とU/GのZ/p-rankが一致する。この事の意義は、困難な予想を、Gauss和という手でさわれるものへ"おとした"事である。これを用いて、予想について何らかのまとまった結果を得る事を期待している。なお、基礎体Kの類群の偶部分とUo/Goの関連も明らかにした。
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