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1997 年度 実績報告書

D-加群のアルゴリズムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 09640055
研究種目

基盤研究(C)

研究機関横浜市立大学

研究代表者

大阿久 俊則  横浜市立大学, 理学部, 助教授 (60152039)

研究分担者 藤井 道彦  横浜市立大学, 理学部, 助手 (60254231)
藤井 一幸  横浜市立大学, 理学部, 助教授 (00128084)
浅野 洋  横浜市立大学, 理学部, 教授 (00046012)
高山 信毅  神戸大学, 理学部, 教授 (30188099)
キーワードD-加群 / アルゴリズム / 数式処理
研究概要

D-加群とは微分作用素環上の加群の総称であり,具体的には線型偏微分方程式系に対応する.D-加群については1970年代からの佐藤・柏原・河合らの研究によって高度な理論体系が構築されているが、具体的な計算方法についてのまとまった研究はなかった。我々の目標はGrobner基底の方法を微分作用素環に適用することによって,D加群に対する種々の演算(関手)のアルゴリズムを確立し、同時に実際の計算を可能にするようなソフトウエアを開発することである。今年度の研究によって,D-加群の制限に対する一般的なアルゴリズムが得られた。これから直ちにファイバーがアフィンの場合の代数的な意味での積分のアルゴリズムが得られ、更に応用として,アフィン代数的集合の捕集合の(ねじれ)de Rhamコホモロジー群の計算アルゴリズムが見出された。これらの実際の計算では,D-加群の自由分解の計算が必要になるが,自由分解は非常に計算量が多く実際の計算は困難である。我々は高山による数式処理システムKanに効率的な自由分解の計算を実装することを試み、試作品の完成を見たが、実用化の為には更なる改良が必要である.
また,代数幾何用のソフトウエアMacaulayの開発者の一人として著名なイリノイ大学のD.Grayson教授を招聘し,大阿久・高山によるD加群のアルゴリズム研究とソフトウエア開発の進展状況に関するレビューを受けた。その結果「大阿久らの見出したアルゴリズムは、Lyubeznik等の研究者が探していたが見出せなかったものであり、全くnon-trivialなものである。大阿久・高山はこの分野におけるリーダーである。我々は招聘によって実際に彼らの研究を直接知る機会を得、その有用性を確信したので、我々のソフトウエアMacaulayにもそのアルゴリズムを実装することを開始した。」とのレポートを受けた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Oaku: "An algorithm of computing b-functions" Duke Mathematical Jouranl. 87. 115-132 (1997)

  • [文献書誌] T.Oaku: "Algorithms for the b-function and D-modules associated with a polynomia" Journal of Pure and Applied Algebra. 117. 495-518 (1997)

  • [文献書誌] T.Oaku: "Algorithms for b-functions,restrictions,and algebraic local cohomology" Advances in Applied Mathematics. 19. 61-105 (1997)

  • [文献書誌] 大阿久 俊則: "計算の視点から見たD加群理論" 数学. 50.2(印刷中). (1998)

  • [文献書誌] K.Fujii, H.Funahashi: "Extension of the Barut-Girardello coherent states" Journal of Mathematical Physics. 38. 4422-4434 (1997)

  • [文献書誌] M.Fujii, T.Soma: "Totally geodesic bonndaries are dense in the modnli space" Journal of Mathematical Society of Japan. 49. 589-601 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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