研究課題/領域番号 |
09640060
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
西岡 久美子 慶応義塾大学, 経済学部, 教授 (80144632)
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研究分担者 |
西岡 啓二 慶応義塾大学, 環境情報学部, 教授 (10228158)
小宮 英敏 慶応義塾大学, 商学部, 教授 (90153676)
渡部 睦夫 慶応義塾大学, 商学部, 教授 (30080493)
光 道隆 慶応義塾大学, 経済学部, 教授 (30056296)
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キーワード | 超越数 / 代数的独立 / Mahler関数 / フィボナッチ数 |
研究概要 |
変換Z→Z^dに関して関数方程式をみたすような関数f(Z)をMahler関数といい、その値の超越性や代数的独立性が研究されてきた。しかしこれまでの代数的独立性についての研究で満足のゆく結果が得られているのは考察の対象であるMahler関数がすべて同一の変換Z→Zd^dに対して関数方程式をみたす場合であった。2種の変換Z→Z^<d_1>、Z→Zd2^<d_2>に対して関数方程式をみたす関数を同時に考えた時、多くの困難な問題が生ずる。今回の研究により、この問題に一定の解答を与えることができた。まずかなり応用範囲の広い代数的独立性についての一般的定理を得ることができ、また応用としてフィボナッチ数の逆数和の代数的独立性を証明することができた。これによりErdosやGrahamによって提出されたフィボナッチ数の逆数和の性質についての問題はほぼ完全に解決されたといってよい。他方Nesteronkoによるmodular関数の値の代数的独立性に関する結果をフィボナッチ数の逆数和に応用し、Mahler関数の応用としては、得られないタイプの逆数和の超越性を証明することができた。研究成果交流の面では1998年11月9日-11日に東京で日仏会館の協力の下、日仏超越数論研究集会を開催し、フランスより4人、ドイツより1人の超越数論研究物を招き、最近の結果の報告を行った。その中でMahler関数の理論がいろいろな方向に発展している事が報告された。
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