本研究の主たる目的は、双曲三次元多様体についてのKuznetsou型跡公式の一般的決定、及びそれとリーマンゼータ関数との関係を定めることにある。本年度は、とくに虚2次体のDedekind zeta関数の量的性質と双曲空間との新しい関係の発見に注力した。日本学術振興会短期研究員として来日されたユトレヒト大学教授R.Bruggeman(ブルッゲマン)氏との共同研究活動もあり、群表現との意外な関連についての知見も得られた。更に古典的な節法との関連、Additire Divisor Pooblem(加法的約数問題)の虚2次体への拡張など懸案についても相当の進展を得た。これらの研究成果は (1)K.Inkeri教授記念Turku整数論シンポジウム(フィンランドアカデミー主催)における招請講演者(1999年6月) (2)Oberwolfachドイツ国立数学研究所(特別研究)国際シンポジウム「The Riemann zeta and allied functions」(2001年秋)の主席オーガナイザー として発表される。また、中間報告として共立出版からの著書にその一部を記した。
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