1) 有理数体上の種数gの代数曲線で、そのヤコビ多様体のモーデル・ヴェイユ格子のランクrがr≧4g+7となるものの無限族を(初年度に)構成した。本年度は、これに加えて上の構成で、ヤコビ多様体が絶対単純(即ち定義体を拡大しても、単純つまり同種の意味で分解しないこと)となるものの無限族の存在を確立した。 2) モーデル・ヴェイユ格子の分解体として得られる代数体を研究する目的で、E型方程式における円分体の類似を考察した。これらの分解体は、円分体の巡回拡大であって、モーデル・ヴェイユ格子の情報から単数についての情報が得られる点興味深い。
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