研究分担者 |
河澄 響矢 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30214646)
森吉 仁志 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00239708)
石川 剛郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50176161)
泉屋 周一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80127422)
山口 佳三 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00113639)
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研究概要 |
予定していた研究の内,2次元球面に同相でその測地流がファイバーごとに高次の多項式であるような第一積分をもつリーマン多様体の研究がひとまず論文にまとめられるレベルにまで達した。(K.Kiyohara:Two-dinensional geodesic flows having first integrals of hisher degree,preprint)。その概要は次の通りである。Mを2次元球面に同相なリーマン多様体,Fをその測地流の第一積分で,ファイバーごとに1次の多項式であるようなものとする。このような(M,F)について,k=1,2の場合は今までに完全にわかっているといって良い.ところがk23の場合には(k=24の場合の最近の少ない例を除いて)非自明な例は全く知られていなかった。我々は上記の論文において,すべてのk23に対し上記のような(M,F)の,関数でパラメトライズされる族を構成した.しかもそれらはすべてC_<2π>多様体(測地線がすべて閉じていて長さ2πであるような多様体)になっている。テクニカルに重要な点は問題を2階の線形双曲型微分方程式の特性初期値問題に帰着させる所にある.この方程式は2次元トーラス上に定義され,特異点をもっているが,適当な初期データに関してピカ-ルの逐次近似法がうまく働く。この結果はk=3,4の場合に最近知られている例との関に全く共通部分がなく,そこに更なる進展の芽があるように思われる.特に,我々の場合はk=2の場合をモデルにしてるいか,そのことがどの程度決定的なのかを検討してみることが重要と思われる。
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