研究分担者 |
五十嵐 雅之 東京理科大学, 基礎工学部, 講師 (60256675)
皆川 宏之 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30241300)
河澄 響矢 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30214646)
石川 剛郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50176161)
山口 佳三 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00113639)
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研究概要 |
予定していた研究(古典論と量子化)のうち,古典論については2つの主な成果があった。その一つは次の通りである:Mを球面に同相な2次元リーマン多様体,Fをその側地流の第一積分で,ファイバーごとにk次の斉次多項式であるようなものとする。このような(M、F)はk=1,2については完全に分かっており,一方k23の場合にはわずかにk=3,4で1-パラメタ族が知られているにすぎなかった。我々はこの研究で,すべてのK23に対してこのような(M,F)の(関数パラメタ)族を構成した。しかもそれらはすべてC_<2π>-多様体(測地線がすべて閉じていて長さ2πであるような多様体)になっている。もう一つの成果は,Hopf曲面上に「エルミート・リウヴィル構造」が入ることを示したことである。これはケーラー・リウヴィル構造の類似物であり,ケーラーという条件が後者において果した深い役割を考えれば,「リウヴィル多様体の複素化(エルミート版)は何か?」という問題に複雑な疑問を投げかける結果となった。 量子化については予定通り,球面に同相なリウヴィル曲面について,そのラプラシアンの固有関数の定義方程式を2つの円上の常微分方程式の組に分解し,それらに半古典近似を適用して,固有値の近似値を得た。特に対応する不変トーラスがcriticalなものに十分近いとき,かえって近似の度合いが良くなるという面白い現象を見出した。この結果は未だ改良の余地があると考えており,口頭発表のみで,論文にはまとめていない。
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