研究分担者 |
福井 敏純 埼玉大学, 理学部, 助教授 (90218892)
櫻井 力 埼玉大学, 理学部, 助教授 (40187084)
長瀬 正義 埼玉大学, 理学部, 教授 (30175509)
阪本 邦夫 埼玉大学, 理学部, 教授 (70089829)
奥村 正文 埼玉大学, 理学部, 教授 (60016053)
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研究概要 |
平成9年度の研究の重点は、ポアソン多様体の幾何学的側面のうち、シンプレクティック葉層に関連するものであった.まず,多様体M上に一般の2-ベクトル場πがあったとき、それの定義する接平面場の積分可能性について調べた.すなわち,πをT^*MからTMへの写像と考え,とくにπの階数が一定(2k)であると仮定した場合にπの像として定義される接平面場が積分可能であるのはスカウテンブラケット[π、π^k]=0であること,およびdimM=2k+1のとき[π、π^k]≠0であることがπがMに接触構造を定義することを示した.続いて,ポアソンコホモロジーの立場からπの定義する2次元コサイクルがコバウンダリ-になるポアソン多様体について調べ,次のような結果を得た.3次元閉多様体で正則なポアソン多様体を考えるとコンパクトな葉を持ち得ない.また,通常考えられる例のほかにHirsch葉層を持つ例が構成できる.これらについては研究集会などで発表を行った. このほかに葉層構造の特性類であるGodbillonーVey不変量とポアソンテンソルの関係についても考察して,ある程度見通しの良い公式を得た. 一方,分担者長瀬はSpin^q構造の研究を行い,その一部をNagase:Spin^q, twistor and Spin^c(Commun.Math.Phys., 189(1997), 107-126)に発表した.分担者の奥村,阪本,福井はこれまで続けてきたそれぞれの研究主題関連して,その研究成果を発表した.(研究発表欄参照)
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