研究分担者 |
志賀 啓成 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10154189)
宮岡 礼子 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (70108182)
辻 元 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (30172000)
藤田 隆夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40092324)
村田 實 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50087079)
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研究概要 |
1. 第1チャーン類が正のコンパクト複素多様体に対するケーラー・アインシュタイン計量の存在問題は重要な未解決問題である.第1チャーン類が負と0の場合は無条件に存在が示されるのと対照的に,正の場合は松島与三の障害および当該研究者によって見い出された障害が知られている.これに対し最近G.Tianは当該研究者の障害を拡張して適用範囲の広い障害を定義した.さらにこの新しい障害のMumfordの意味の安定性との関連を示唆している.本研究においてこの関連をより直接的に説明することに成果を得つつあるが,まだ決定的なものではない. 2. どのような多様体が正のスカラー曲率を持つかは興味深い問題であり,5次元以上の場合はGromov-Lawsonらによって研究されている.一方4次元の場合,最近サイバーグ・ウィッテン方程式を使って定義される微分位相幾何学的不変量が新しい障害となることが示された.この不変量は4次元多様体の色々な幾何学の問題に応用されている.この理論の基本がJ.モーガンの著書に著されているが,当該研究者はこの本の翻訳を依頼され,様々な不明確な点を修正して翻訳し,培風館から発刊された. 3. スカラー曲率一定のケーラー多様体はケーラー・アインシュタイン計量の一つの一般化であり,この場合にも1と同種の結果が(少なくとも概念的には)知られている.すなわちリーマン面上のparabolic vector bundleの安定性と関連している.今年度はこの観点からの研究を行った. 4. extremal Kaehler計量のkaehler類の集合が開集合であることの証明が得られた.
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