研究課題/領域番号 |
09640093
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大槻 知忠 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (50223871)
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研究分担者 |
村上 斉 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (70192771)
小島 定吉 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (90117705)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 結び目 / 有限型不変量 / Seifert行列 / コボルディズム / The LMO Invariant |
研究概要 |
結び目と3次元多様体の量子不変量に関連して、筆者は摂動的不変量、LMO不変量(普遍摂動的不変量)、有限型不変量を定義して研究してきた。とくに、最近は有限型不変量が定める結び目や3次元多様体の集合の同値関係について研究した。 有限型不変量の空間には(ホップ代数における)余積が定義され、この余積について「原始的な元」の概念を定義できる。とくに、任意の有限型不変量は原始的な有限型不変量の多項式として得られる。この原始的な有限型不変量の概念をもちいて、結び目(や3次元多様体)の集合に対して同値関係の列を定義すると、各同値関係についてその同値類の集合は結び目(や3次元多様体)の連結和に関して可換群になり、さらにその可換群はウェブ図がZ上にはる束と同型であることが葉広和夫氏のクラスパーを用いて示される。 この結び目の同値類の集合(すなわちウェブ図がはる可換群)は有限型不変量が結び目をどのように類別するのかという類別の様子を記述している。そこで筆者は「結び目の集合を研究対象とする幾何」という観点から、結び目を類別する別の概念として知られているコボルダントとの関連を考察した。 結び目のコボルダントをSeifert行列を用いて代数的に再定式化した代数的コボルダントについて、Levineが代数的コボルディズム類の集合を同定している。筆者は村上斉氏との共同研究で、結び目の有限型不変量から誘導されるSeifert行列の有限型不変量を定義し、Seifert行列の有限型不変量が具体的にどのような不変量であるのかを完全に決定した。
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