研究課題/領域番号 |
09640101
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
阿部 孝順 信州大学, 理学部, 教授 (30021231)
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研究分担者 |
松田 智光 信州大学, 理学部, 助教授 (70020667)
可知 偉行 信州大学, 理学部, 助教授 (50020657)
二宮 晏 信州大学, 理学部, 教授 (40092887)
向井 純夫 信州大学, 理学部, 教授 (50029675)
浅田 明 信州大学, 理学部, 教授 (00020652)
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キーワード | 多様体 / 微分形式 / Cayley射影空間 / ポントリャ-ギン形式 / G-多様体 |
研究概要 |
ここでは主要な多様体の特異コホモロジー群の無限位数の生成元がde Rham同型対応を通してどの閉微分形式に対応しているか、またこの閉微分形式の幾何学的性質を研究する。この問題はよく知られている種々の幾何構造の研究とも密接な関係があるが、それらの知られている結果とどのように関連しているかも調べる。特に対称空間の場合にChern類及びPontrjagin類に対する幾何構造を調べることが、最も主要な問題である。これまでに複素射影空間、四元数射影空間等については上の研究がなされているが、大部分のこれ以外の対称空間については知られていないために、この問題を研究することが目的である。 この問題は、これまでに複素射影空間及び四元数射影空間の場合に詳しく研究されている。Cayley射影空間の場合はB.Brown,A.Gray,M.Bergerにより8次元のコホモロジー環の生成元に対応する微分形式が研究されていた。しかしながらこの結果はいずれも積分を用いるため、定数倍を除いてしか定めることができない。我々はSpin(8)に対する3対原理等を用いてSpin(9)の16次元表現空間の上の不変な8次交代形式を求め、正確な表現を得た。しかしこの微分形式と多様体の幾何学的構造との関連はこれまでのところ明らかにはなっていない。また複素Cayley射影空間の場合はコホモロジー環の2次元の生成元はKahler形式の定数倍で与えられ、8次元の生成元はその計算法が分かっているが、複雑なためにこれまでは具体的には求められていない。 今年度は、Cayley射影空間の8次元の生成元は第2Pontrjagin類の定数倍であることを考えて、最初に四元数ケーラー多様体の第一Pontrjagin形式を求めた。このうち実グラスマン多様体となる場合の第一Pontrjagin形式については、対応する幾何学が知られていない。これを調べるにはこの微分形式のcomassを計算する必要がある。一般に具体的に計算することは難しいが、その計算法を研究した。 上記の問題は可微分G-多様体の軌道空間の微分構造の研究に端緒がある。本年度は余次元1の軌道を持つG-多様体の同変微分同相群の構造も調べ結果を得てシンポジュームでも発表した。
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