研究課題/領域番号 |
09640103
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
吉村 善一 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70047330)
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研究分担者 |
山岸 正和 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (40270996)
佐伯 明洋 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (50270997)
大山 淑之 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (80223981)
足立 俊明 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60191855)
南 範彦 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (80166090)
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キーワード | 実K理論 / 複素K理論 / K局所化理論 / KOホモロジー同値 / 実射影空間 / レンズ空間 / Thom複体 / CWスペクトラム |
研究概要 |
代数的位相幾何学では、CW複体や多様体を安定ホモトピー同値によって分類することが最も重要な問題の一つとして挙げられるが、そのためにはまずK理論による局所化同値によって分類を試みることが極めて有効である。研究代表者は疑似KOホモロジー同値という概念を1990年に導入して以来、CW複体や多様体をまず最初に疑似KOホモロジー同値で粗く分類し、しかる後にK理論の局所化同値でより細密に分類するという手法を構築して現在まで一貫した研究を進めてきた。 研究代表者は、位相幾何学上重要な多様体(又はCW複体)である萎縮実射影空間、萎縮法4レンズ空間、荷重複素射影空間、荷重法4レンズ空間に対してそれらのKU群に作用する共役作用素の振る舞いを考察して、疑似KOホモロジー同値型を既に決定している。これらの研究を継続発展させた結果、西村保三君(大阪市大)との共同研究によって法8レンズ空間及び萎縮法8レンズ空間の疑似KOホモロジー同値型を決定したことが平成10年度の新しい研究成果である。 萎縮法8レンズ空間のKU群に作用する共役作用素の振る舞いは萎縮実射影空間や萎縮法4レンズ空間に比べると著しく複雑であるので、従来の方法では疑似KOホモロジー同値型の決定が非常に困難である。それ故、既知であるThom複体の性質と上述の荷重複素射影空間の疑似KOホモロジー同値型の決定を駆使して、萎縮法8レンズ空間のKU群に作用する共役作用素の振る舞いの考察を最小限に留めることにより、法8レンズ空間のみならず萎縮法8レンズ空間の疑似KOホモロジー同値型を決定することに成功した。これらの論法は、萎縮実射影空間や萎縮法4レンズ空間に対しても適用され得るので、それらの疑似KOホモロジー同値型の決定が従来の方法と比べると数段簡潔になる。
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