研究分担者 |
原田 雅名 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80181022)
松澤 淳一 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00212217)
深谷 賢治 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30165261)
河野 明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00093237)
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研究概要 |
平成9年度の研究成果は以下の通りである.まず離散群のクラスとして,コ-ミング群を扱った.このクラスは,あまりに広く,定義された線分が測地線からかけ離れたものまで含んでしまう.プロパ-という幾何学的な概念を導入することでそのクラスが大変扱いやすくなることがわかった.大変自然な定義で,凸性を持つ群は全て含まれることがすぐわかる.非自明な例としては,ブレイド群などがあげられる.近年,オートマチック群の研究がさかんになり,具体例がたくさん発見されている.個々の群にオートマチック構造を入れる方法をみると,多くの場合にそれらがプロパ-であることがわかる.このことよりプロパーコ-ミングの非自明な例が多く存在することがわかる. 次に,カスパロフのK群の漸近化として,近年コンヌ,ヒグソンにより導入されたE理論が自然な候補であることがわかった.この理論は交差積が非常に理解しやすく,しかもカスパロフのK群を含むという点で大変重要である.E理論に対応するフレドホルム表現として,まず空間の間の漸近的リプシッツ写像という概念を導入した.群作用がある場合,この写像からE(C,C^*Γ)の元が自然に得られることがわかった.さらにプロパーコ-ミング群から自分自身への漸近的リプシッツ写像が大変自然に作られることがわかった.これらの準備のもとに,群がねじれなし,プロパーコ-ミングの場合のノビコフ予想を示した.
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