研究概要 |
1.(2n-1)次元球面空間形Γ\S^<2n-1>でスピン構造を持つものを考える。これらのクラスのなかでDirac作用素で等スペクトルをもつが距離同型でない対については、C.Barは基本群がメタ巡回群であるようなクラスでそのような例を構成している。qを11以上の素数、qo=(q-1)\2、ιLo(q,n)をレンズ空間{L(q:p1,p2,・・・,Pn)|pi〓±pj(mod q)(i≠j)}の距離同型類とする。このとき(q-6)次元のレンズ空間の族Lo(q,qo-2))に属するレンズ空間達はラプラス作用素で等スペクトルであるが距離同型でない例となっていた。これらのクラスのレンズ空間でDirac等スペクトルを持つかどうかをC.BarによるDirac作用素のスペクトルに附随したPoincare級数をもちいて調べたくさんの具体例をえていた。たとえば3つの17次元のレンズ空間L_1=L(23:1,5,2,10,4,20,8,16,11)、L_2=L(23:1,5,2,10,4,20,8,17,11)、L_3=L(23:1,5,2,10,4,20,17,16,11)はDirac等スペクトルである。これらの例についてp-微分形式の空間に作用するラプラシアンのスペクトルの同固有値問題を考えた。たとえばL_1とL_2は0-isospectralであるが1-isospectralでない等の結果を得た。 2. 球面上の関数に作用するラプラシアンのスペクトラルゼータ関数をCarletti and Monti BragadinはHure-witzゼータ関数の無限和としての公式を得た。この結果を球面上のp-微分形式上に作用するラプラシアンのスペクトラルゼータ関数の場合にも同様の公式を得ることができた。また階数1の対称空間で球面、実射影空間以外の空間に対する関数に作用するラプラシアンのスペクトラルゼータ関数についてもHurewitzゼータ関数の無限和で表す公式を得た。
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