研究課題/領域番号 |
09640112
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
倉 猛 広島大学, 理学部, 助手 (10161720)
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研究分担者 |
菅野 浩明 広島大学, 理学部, 講師 (90211870)
寺垣内 政一 広島大学, 学校教育学部, 助教授 (80236984)
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キーワード | 結び目 / デーン手術 / 種数 / ザイフェルト多様体 / 高次元Wess-Zumino-Wilten模型 / トロイダル・リー代数 / 位相的場の量子論 / 位相的ゲージ理論 |
研究概要 |
今年度に行った研究によって得られた成果は次の1-4である。 1 非自明な結び目のデーン手術によっては実3次元射影空間を得ることはできないと予想されている。この予想に対する部分解決はいくつか知られている。橋指数が4以下の結び目や、strongly-invertibleとよばれるクラスなどである。種数1の結び目に対してこの予想を解決した。種数とは、結び目を境界にもつザイフェルト曲面の最小種数として定義される結び目の代表的な幾何的不変量である。証明には、結び目の補空間に含まれる2つの曲面の交差をグラフに見立てて組み合わせ的に分析する手法を用いた。(寺垣内) 2 3次元球面内の結び目のデーン手術によって、いつどんなザイフェルト多様体が得られるかは未だ決定されていない。この事に関して、トレフォイルを除く種数1の結び目のデーン手術によって、2次元射影平面を底空間にもつザイフェルト多様体が得られないことを証明した。(寺垣内) 3 2次元の共形場理論の基本的な例であるWess-Zumino-Witten模型の高次元化とみなすことのできる、4次元、6次元のケーラー多様体上の場の理論を構成した。この模型は、トロイダル・リー代数という無限次元対称性を持ち、運動方程式の解は多様体上の正則ベクトル則を定義する。(菅野) 4 これまで、低次元(4次元以下)を中心に研究されてきた位相的場の量子論を高次的に拡張する試みを行った。特に、8次元のJoyce多様体、Calabi-Yau多様体上で位相的ゲージ理論を与えた。また、この理論が超弦理論から導かれる10次元の超対称ゲージ理論と密接な関係にあることを示した。(菅野)
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