研究概要 |
6次元球面を等質空間G_2/Su(3)とみることにより、概複素構造が定義される。本年度は、我々の6次元球面のグラスマン幾何学の分類に従って特に、SU(2)のG_2の部分群としての表現を用いて3次元CR部分多様体の具体的構成、及びその剛性定理を得た。J正則曲線と3次元CR部分多様体との関連についても考察し、J正則曲線から作られる3次元CR部分多様体も構成した。さらに、6次元球面内のJ正則曲線上の、第1法束、第2法束方向の管が全実部分多様体、またはCR部分多様体になる場合について研究した.ここで得られた結果は、Ejiri(Trans Amer.Math.Soc.,97(1986))の結果を拡張したものになっており、super minimal J-正則曲線や、ヴェロネ-ズ曲面の特徴付けも与えている.また、リーマン対称空間内の平坦でない2次元全測地的部分多様体の分類について(特に等長変換群が古典型の場合について)研究に着手した.6次元球面内の4次元CR部分多様体の研究にも着手した。A.Selbergはリーマン対称空間を不変微分作用素の観点から一般化して,リーマン弱対称空間という空間を導入し、数論との関連で研究を進めた.最近弱対称空間の幾何学的な特徴付けがいくつか見つけられてきたが,弱対称空間になるものがどれだけあるかはまだ判っていない.リーマン対称空間の別の観点からの一般化として捉えられるリーマン3-対称空間は,対称空間の上の正則ツイスター空間としても重要な空間であり,種々の興味深い幾何学的構造を持っている.本年度はコンパクトリーマン3-対称空間G/Hで弱対称空間になるものを,W.Zillerによる弱対称性の特徴付けを用いて,コンパクトリー群Gが古典群および例外群G_2の場合に調べ,その結果を現在まとめているところである.
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