研究課題/領域番号 |
09640129
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
加藤 昌英 上智大学, 理工学部, 教授 (90062679)
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研究分担者 |
田原 秀敏 上智大学, 理工学部, 教授 (60101028)
金行 壮二 上智大学, 理工学部, 教授 (40022553)
長野 正 上智大学, 理工学部, 教授 (10189144)
横山 和夫 上智大学, 理工学部, 助教授 (10053711)
宮岡 礼子 上智大学, 理工学部, 教授 (70108182)
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キーワード | 複素多様体 / 射影構造 / Gauduchon metric / Hartogs domain / non-Kahler |
研究概要 |
我々は、3次元射影空間内の射影直線の近傍と正則同型な領域Uを含むコンパクト複素多様体(Class Lの多様体)を主な研究対象にしている。一般にはこのような多様体は全体が射影構造を許容するわけではない。このような多様体の分類において重要な役割を果たす思われる問題が、次のGauduchon metricの存在の問題である。 『設定』Kahlerとは限らないコンパクト曲面の1次元複素解析族について、原点上以外のfibreは既約かつ非特異、原点上のfibreは、その既約成分はすべて非特異、かつ正規交差であるとする。 『問題』もし特異fiberの各既約成分上にGauduchon metricが存在して、それらが既約成分の交差部分で一致するならば、特異fibreの近傍にGauduchon metricが存在するか。 答えは特異fibre上のmetricの単純な拡張では得られないが形式的な解の存在は示せた。もう一息で完全に肯定的に解ける。 上記のような多様体の分類を実行する上で、非常に重要な定理はIvashkovichによる正則写像の拡張定理であるが、我々の多様体は正則写像の拡張問題に対して、様々な興味深い例を提供する。岡田昇(上智大大学院)は、コンパクトなSchottky型のClassLの多様体を構成して、Hartogs領域からの正則写像を具体的に与え、その写像が正則包まで有理型写像として延びない点の集合のHausdorff次元が整数にならないことを具体的な計算で示した。岡田は先に、一般にターゲットになる複素多様体をKahlerとは限らないコンパクト複素多様体としたときに正則写像のHartogs型の拡張問題を考え、どの程度のHausdorff測度をもつ集合を除いた領域まで正則に拡張できるかによって、そのコンパクト複素多様体のholomorphic extension indexを定義したが、これはその良い例を与える。
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