研究課題/領域番号 |
09640130
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
三松 佳彦 中央大学, 理工学部, 助教授 (70190725)
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研究分担者 |
神田 雄高 北海道大学, 理学部, 助手 (30280861)
小野 薫 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (20204232)
水谷 忠良 埼玉大学, 理学部, 教授 (20080492)
高倉 樹 中央大学, 理工学部, 講師 (30268974)
山本 慎 中央大学, 理工学部, 教授 (10158305)
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キーワード | 葉層構造 / 接触構造 / シンプレクティック構造 / 擬正則曲線 / 幾何学的量子化 / Poisson構造 / Legendre結び目 / Thurston-Bennequin不変量 |
研究概要 |
初年度なので共同研究者各自の特徴を生かした基礎的な研究を行なった。本研究では、初期段階における研究方向を二つに大別している。 葉層構造との関連に於て接触構造の凸性を位相的に追求する位相・葉層グループでは、研究代表者と分担者の水谷が、葉層構造の変形として得られる接触構造の族が強い凸性を示す(つまりsymplectic構造を生成する)場合にはその葉層がAnosov葉層に近い性質(tautであり多様体の基本群は指数的成長)を持つという結果を得た。また射影的Anosov流に付随する葉層・接触構造は予想されていた凸性(Reeb成分を持たない・tight)を一般には満たさないことを示す反例を構成する一方で、射影的Anosov流がC1級のAnosov分解を持つ場合には付随する葉層構造は期待する凸性を持つことを示した。これらの結果は国内外の幾つかの研究集会で発表され、論文として準備中である。これに対し神田は、接触構造の凸性に於いて重要なLegendre結び目のThurston-Bennequin不変量が一般には凸性を示すBennequinの不等式を過剰に満たしてしまうことを、結び目と接触構造の向きに着目して示し、本研究にとって基礎的かつ示唆的な結果を得た(研究発表欄の二番目)。更に水谷はPoisson葉層の定性論を創始し、特にその特性類等のコホモロジー論を展開しており、論文が既に準備された。 より代数的な接触構造に対して幾何学的量子化の手続を試みるsymplecticグループでは、高倉がその基礎として常に問題となるsymplectic商のコホモロジー論を進展させ、その成果を国内外で発表した。一方この方面での重要な手段となる擬正則曲線の理論を深化させた小野は、その一つの大きな結実としてArnold予想を概ね解決するに至った。この一部が研究発表欄一番目の論文として発表され、更なる論文が準備されている。
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