研究概要 |
本研究は平面閉曲線に対する位相不変量の研究であり,(1)新しい位相不変量を定義することと,(2)それらの幾何学的および代数的性質を調べること,が研究の主な目標であった. (1)に関し,2つの新しい無限系列I^ε_<αβ>およびSt_κを得ることができた.ただし,添え字εは+,0または-であり,α,β,κはすべての自然数を動く. (2)に関し,もっとも重要な結果はI^ε_<αβ>のVassiliev意味に於ける位数を完全に決定したことである.結論として,I^ε_<αβ>の位数はα+1であることを示した.さらに,この系列の位相不変量は代数的に独立であることをも示した.その結果として,各有限位数には無限個の独立な位相不変量が存在することを示すことができた.第2の系列St_κに関し,曲線の変形に際し現れる不安定曲線に対するこれら位相不変量の値の変化を調べ,それがstrangeness不変量と同様の振舞いをすることを示した.さらに,それらの代数的独立性,連結和に関する加怯性,および第1の系列の不変量I^ε_<αβ>との関係を具体的な形で示すことができた.
|