研究課題/領域番号 |
09640142
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山ノ内 毅彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30241293)
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研究分担者 |
関根 義浩 九州大学, 大学院・教理学研究科, 講師 (30243885)
岸本 昌孝 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00128597)
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キーワード | 作用素環 / 量子群 / 因子環 / 作用 / カッツ環 |
研究概要 |
先の交付申請書に於いて、我々は作用素環的量子群(特にカッツ環)の作用素環上への作用を構成し、さらにその一般論を展開してそれらの分類を試みることを研究目的としておおまかに述べた。ここで、カッツ環の中でも特に我々が第一のターゲットとして挙げていたものは有限次元のカッツ環であった。この観点から平成9年度の研究によって得られた成果を以下に記載しておく。 1.まず研究代表者(山ノ内)は、裏面に挙げた掲載予定の論文においてコンパクトカッツ環の極小作用に関する詳細な研究を行い、そのような作用は常に支配的(dominant)であるという際立った性質をもつことを明らかにした。ここで、有限次元カッツ環はコンパクトカッツ環の特別な場合であることに注意すれば、この結果は我々の興味の枠を越えたより一般的な状況で証明された命題であることがわかる。この結果の応用として、代表者は、コンパクトカッツ環の極小作用によって決まる不動点環に挟まれたある特殊な中間因子環はこのカッツ環の双対環のgroup-like elementとGalois対応を通して対応していることも明らかにした。 2.分担者である関根氏は、裏面に挙げた掲載予定の論文においてやはりコンパクトカッツ環の作用の一般論を展開した。その中で同氏はコンパクトカッツ環の作用による接合積と不動点環の関係を研究し、接合積が因子環であることの必要十分条件を不動点環の性質で特徴付けることに成功した。その応用として、これまで使われてきたコンパクトカッツ環の極小作用の二通りの定義が互いに同値であることを証明している。 3.同じく分担者である岸本氏は、裏面に挙げた諸論文において、作用素環への群作用分類において必要不可欠である自己同型写像のRohlinの性質に関する深い結果を得ており、これらの研究はあるクラスのC^*-環の分類理論にも大きく貢献している。
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