研究課題/領域番号 |
09640157
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岩崎 克則 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (00176538)
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研究分担者 |
渡辺 文彦 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助手 (20274433)
上村 豊 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (50134854)
岡本 和夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40011720)
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キーワード | 多面体調和関数 / 不変式論 / ホノロミック系 / アーベル型積分方程式 / 特異ボルテラ積分方程式 / 差分方程式 / コホモロジー群 / パンルベ方程式 |
研究概要 |
本年度は交付申請書の研究目的・研究実施計画欄に記した4項目のうち、「多面体の組み合わせ論・有限鏡映群の不変式論・ホロノミック系を用いた多面体調和関数の研究」において最も大きな実績を挙げた。先ず多面体調和関数のなす線型空間の有限次元性という長年の未解決問題を解決した。また有限鏡映群の新しい不変式を見出し、その応用して対称性の高い多面体に対する多面体調和関数の具体的決定を行った。これらの成果は5篇の論文にまとめられ、そのうち3篇は1997年度に出版された。あと2篇も投稿中である。また外国旅費を利用して、アメリカ合衆国及びチェコ共和国で開催された国際研究集会に参加し、成果発表を行った。更に国内2個所で開催された研究集会で発表するために国内旅費を使用した。研究の進展に伴い、球面デザインとの関連性という新しい問題意識が生まれ、その視点からの研究を続行中である。なお科学研究費で購入したBJカラープリンタは多面体のカラー印刷に活用した。 「アーベル型積分方程式論を利用した、非線型固有値問題における逆分岐問題」の分野においては、分担者上村豊と共同研究を遂行した。特異ボルテラ積分方程式の組織的研究を行い、一意可解性の為の必要十分条件を確立した。またその結果を利用して、ある逆固有値問題を解決した。その成果を2篇の論文にまとめ、うち1篇は1997年度に出版された。残りの1篇は投稿中である。国内旅費を利用して活発な研究連絡を行い、共同執筆に当たった。 「差分方程式のコホモロジー群」に関する課題では、差分方程式の解の詳細な漸近公式を与えた。この結果は1997年度に出版公表された。また国内旅費を使用し、国内3個所で開催された研究集会において発表した。現在この結果に基づいて、差分方程式のコホモロジー論に関する論文を執筆中である。また超幾何微分方程式系への応用を計画中である。 岡本和夫・渡辺文彦の両分担者とは「パンルベ方程式」の分野で議論を行った。両者はそれぞれ、パンルベ方程式の既約性、双有理変換に関する論文を執筆した。
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