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1998 年度 実績報告書

クライン群の変形理論

研究課題

研究課題/領域番号 09640162
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

渡辺 ヒサ子  お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (70017193)

研究分担者 前田 ミチエ  お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (30017206)
谷口 雅彦  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50108974)
キーワードクライン群 / タイヒミュラー空間 / ハウスドルフ次元 / フックス群 / 複素力学系 / フラクタル集合 / 擬等角写像 / 2重層ポランシャル
研究概要

谷口は、整函数の力学系の変形理論を、タイヒミュラー空間論の立場から構築した。これは原田龍宣氏との共同研究である。このような族は、クライン群における無限生成群に対応しているとも言えるが、いわゆるSpeicer族は有限性を持ち、幾何学的無限なクライン群との対照も一部で成立する、きわめて興味深い族である。また、有理函数では現れない、wandering domainsやBaker domainsの基本的性質を、このような視点から明らかにすることにも成功した。さらに具体的な力学系の考察として、象眼指数函数族を集中的に調べ、その位相的完全性を示すことに成功し、さらにその対数的持ち上げの分岐を考察してそのファトウ成分のタイヒミュラー空間を明らかにした。また、クライン群の複素力学系的視点、すなわち、共形力学系としての視点と、3次元双曲構造の表現としての視点とを融合させた包括的な解説書を松崎克彦との共著として公刊した。これは新しい結果や定理の改良なども加えてあり、特に幾何学的収束に関して書かれた7章は、今後の研究指針を与えるものと思う。
渡辺は、フラクタルな境界を持つ領域で、境界上のBesov空間をデータ関数とするDirichlet問題を解くための準備として、2重層ポテンシャルに関連した作用素KのBesov空間上の有界性について考察し、全空間で定義されたリプシッツ関数に対しては、境界上のBesovノルムを、その関数の偏微分と境界からの距離の適当なべき乗の内部または外部の積分で評価できることを示し、Hormander型の極大関数の理論を使うことにより、境界がフラクタルな場合にも作用素KがあるBesov空間で有界であることを証明した。この方法はフラクタルな集合上の関数空間上の様々な作用素の有界性を証明するために有用である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Taniguchi: "On topological completeness of decorated exponential famillies" Sci.Bull.Josai Univ.4. 1-10 (1998)

  • [文献書誌] H.Watanabe: "Besov spaces on fractal sets" Sci.Bull.Josai Univ.5 To appear. (1999)

  • [文献書誌] H.Watanabe: "Layer heat potentials for a bounded cylinder with fractal boundary" 数理解析研究所講究録. 1042. 112-122 (1998)

  • [文献書誌] M.Maeda: "The quasi-Sazonov topology" 数理解析研究所講究録. 1039. 81-94 (1998)

  • [文献書誌] Matsuzaki and M.Taniguchi: "Hyperbolic manifold and Kleinian groups" Oxford Univ.Press, 253 (1998)

  • [文献書誌] K.Matsuzaki and M.Taniguchi(他7名,小島定吉監訳): "3次元幾何学とトポロジー(W.Thurston,Three-Dimensional Geometry and Topologyの日本語訳)" 培風館, (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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