研究課題/領域番号 |
09640178
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
ACCARDI Luigi 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (80283464)
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研究分担者 |
大矢 雅則 東京理科大学, 理工学部, 教授 (90112896)
南 和彦 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (40271530)
青本 和彦 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (00011495)
尾畑 伸明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (10169360)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 量子ノイズ / 確率極限 / 量子伊藤公式 / 量子マルコフ鎖 / 量子情報理論 / 量子エントロピー / 非線型相互作用 / 相互作用フォック空間 |
研究概要 |
(1) 量子論の確率極限標準的なハミルトン模型の確率極限によって、量子ノイズとそれを含む量子確率微分方程式が導出される。この手法を強い非線形相互作用をもつ系に適用して、新しいタイプの量子ノイズを導出し、その性質を研究した。例えば、双極子近似なし量子電気力学からは、特異的な非交差ダイアグラムが現れ、真空期待値としてウィグナー半円則の非線形変形が得られた。このような新しい現象を統一的に記述するために相互作用フォック加群を詳細に議論した。 (2) 古典・量子確率解析の非線形化(1)の研究に動機づけられて、従来の古典及び量子確率解析を、高次の量子ホワイトノイズの作る無限階層の第一階層に位置づける方向で研究を行った。付随する伊藤公式は、くりこみをともなって拡張された。さらに、ホワイトノイズの高次巾を係数に含む正規順ホワイトノイズ方程式の解の存在・一意性・解析性に関して一通りの結果が得られた。これによって、量子論の確率極限において議論される確率微分方程式との関連が明らかになった。 (3) 中心極限定理 代数的確率論の枠組みで、従来の様々な独立性を統一的に扱い、それを越える概念としてシングルトン独立性を導入し、付随する中心極限定理と極限の確率過程を得た。さらに、直交多項式論やそのq-変形とも関連づけた。特に、任意の確率測度のガウス化が示された。 (4) 量子マルコフ鎖 量子マルコフ状態の分類の問題、量子通信への応用を念頭に置いたリフティングの問題などに一定の解答を得た。さらに、量子コンピュータの基本アルゴリズムと多くの(連続無限個の)不変測度をもつような量子マルコフ鎖との関連を明らかにした。 (5) その他 量子エントロピーや量子情報理論に関連して、いくつかの具体的な非線形モデルを考察した。また、ベル不等式やEPR状態に関わる量子論の基礎問題を代数的確率論の立場から論じた。
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