研究課題/領域番号 |
09640182
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 愛媛大学 (1998) 京都大学 (1997) |
研究代表者 |
伊藤 宏 愛媛大学, 工学部, 助教授 (90243005)
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研究分担者 |
島田 伸一 摂南大学, 工学部, 助教授 (40196481)
大鍛治 隆司 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (20160426)
岩塚 明 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (40184890)
猪狩 勝壽 愛媛大学, 工学部, 教授 (90025487)
定松 隆 愛媛大学, 工学部, 教授 (10025439)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | ディラック方程式 / 散乱作用素 / 散乱理論 / 逆散乱問題 / 相対論的量子力学 / 相対論的シュレーディンガー方程式 |
研究概要 |
時間に依存する電磁場をもつディラック方程式の逆散乱問題を考えた。同じ量子力学の基礎方程式でも、非相対論的な方程式であるシュレディンガー方程式の場合には、電磁場が時間に依存していても散乱作用素からその電磁場を完全に再構成できることは知られていた。また、ディラック方程式の場合にも電磁場が時間に依存しない場合には、完全な再構成が可能であった。しかし、相対論的な方程式であるディラック方程式の場合は、電磁場として時間に依存する場合を考えるほうが自然である。この研究の成果として、散乱作用素から電磁場のある部分は再構成できることを証明することができた。この結果を用いることによって、電磁場がある指数減衰条件を満たすなら、散乱作用素から完全に電磁場が決まることが示された。また電磁場が時間に依存しない場合には従来の結果よりよい結果を得ることができた。再構成できない部分が原理的に再構成できるのか否かについては、現在も研究中である。相対論的シュレーディンガー方程式に対しても、同様な逆散乱問題を考え、同様な結果を得ることが出来た。ディラック方程式の研究はパウリ方程式やシュレディンガー方程式の研究と密接に結びついている。岩塚は田村英男氏とともにパウリ作用素の固有値の漸近分布を決定し、また峯拓也、土居伸一両氏とともに、電磁場をもつシュレデインガー方程式の場合にIDSについて調べた。大鍛冶は、シュレーディンガー方程式の解の特異性の伝播や平滑化効果やDe Carliとともにディラック作用素の強一意接続性に関して興味深い結果を得た。島田は、サポートが直線上にあるポテンシャルをもつシュレディンガー方程式の解析を行った。猪狩は、複素領域におけるコーシー問題の解の特異伝播性について調べた。定松は退化方物型方程式の正準形に対して初期値が適切であるための必要条件を求めた。
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