研究分担者 |
内山 淳 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (70025401)
朝田 衛 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (30192462)
矢ケ崎 達彦 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (40191077)
大倉 弘之 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (80135649)
中岡 明 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (90027920)
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研究概要 |
解析構造,幾何的構造,代数的構造が密接に関連している場である変動するリーマン面上で生じる現象の解明を微分方程式論、数理物理、確率論、トポロジー、代数等の多面的観点から総合的に研究している。解析学の分野ではリーマン面の等角接合で引き起こされる解析構造の変化、リーマン面の擬等角正則変動の下でのベルグマン計量他解析的諸量の変動、リーマン面の埋め込み等について若干の結果を得ている。物理現象との係わりの面として、磁場に各種の電場のポテンシャル摂動を与えた時パウリ作用素が持う離散固有値の漸近分布を調べ、ワイル公式が成立する場合とワイル公式に従わない場合には新しい漸近公式を得ている。又、粘弾性体の変形を熱力学的な観点から捉え、線形発展方程式を導き、その解を解析する事によってこの粘弾性体の理想弾性固体と理想弾性流体との構成比を導く手法を提案し、非線形方程式の場合に発展させさせている。確率論関係では、対称マルコフ過程に対する従属操作と再帰性等との関連について一連の研究し、特に、斜積の形をしたある種の特異な拡散過程に従属操作を施したものに対する再帰性・推移性の判定はこれまでに得られていないタイプの結果である。幾何学の分野では、リーマン面Mの位相同型群Η(M)の中での擬等角写像のなす部分群Η^<QC>(M)の無限次元位相多様体としての性質を考察し、Mがコンパクトのとき、(Η(M),Η^<QC>(M))が(s,Σ)-多様体となることを示し、応用として、恒等写像の連結成分Η(M)_o。のホモトピー型から組(Η(M)_o,Η^<QC>(M)o)の位相型を決定している。各種の位相同型群のつくる多様体の構造に関する結果を得ている。他に、エルミート対称空間上エルミートベクトル束に働くHodge Laplacianについて導出されたスペクトラムの一般的な計算式を応用して,線束の解析的トーションを計算している。代数学の分野では、代数曲線のPro-l基本群の自己同型群に於けるガロア表現ど線形ガロア表現のある族との関連付けを与え、一般化されたJacobian varietiesの族の1-巾tortion点の挙動でガロア表現の核に対応する体の記述を可能にしている。
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