研究概要 |
科学研究費の助成のもと、課題の一つ「退化楕円型偏微分方程式に対するDirichlet問題」が研究分担者・丸尾健二氏との共同研究により,当初の目標以上の形で解決しました。 概要を述べます。次のDirichlet問題: (].SU。[) を考える。ここで,N≧2,g(t)=(t-a_1)^<λ1>(t-a_2)^<λ2>…(t-a_k)^<λk>(t+1)^<-λ^*>,0<a_1<…<a_k,0<λi<2(i=1,2,…,k),λ^*≧0.方程式はkコの球面|x|=a_k(k=1,2,…,k)上で退化していることに注意したい。(DP)を弱解の概念の一つ:「粘性解(viscosity solution)」の立場から調べて,次の結果を得た。 定理1 0<λi<2(i=1,2,…,k),λ^*≧0の仮定のもとで,(DP)はただ一つのradial and standard viscosity solutionをもつ. 定理2 すべてのi∈{1,2,…,k}に対して1≦λi<2ならば,(DP)のviscosity solutionは一意的である。よってviscosity solution⇒radialといえる。 定理3 あるi∈{1,2,…,k}に対して0<λi<1ならば,(DP)はmaximum viscosity solutionとminimum viscosity solutionをもち,これらの間に無数のviscosity solutionをもつ. なお,この研究はすでに都立大,福岡大におけるシンポジウムで発表しました。論文作成中です。
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