研究分担者 |
吉田 清 広島大学, 総合科学部, 教授 (80033893)
古島 幹雄 広島大学, 総合科学部, 教授 (00165482)
柴田 徹太郎 広島大学, 総合科学部, 助教授 (90216010)
今野 均 広島大学, 総合科学部, 助教授 (00291477)
小泉 伸 尾道短期大学, 教授 (90205310)
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研究概要 |
1 ハリッシュ・チャンドラのC関数は主系列表現の間の交換子作用素とも関係し,またアイゼンシュタイン積分の漸近展開の初項として現れるため表現論の諸問題を研究する上で中心的な役割を持つものである。ハリッシュ・チャンドラのC関数の行列式はガンマ関数の積商で書け,その零点はKの表現の最高ウエイトのの有理数係数の一次結合で書けるという有名な予想(コーン予想)があるが,SU(n,1)に関して得られたC関数の具体的表示(受理論文)とC関数に関する積公式を用いて,SU(p,q)でこの予想が正しいことが得られた(発表済み)。 2 実数上の可積分関数とそのフーリエ変換には不確定性原理と呼ばれる顕著な性質があることが知られている。これと同様の性質は可換な群では多く研究されているが,非可換な群に付いてはあまり知られていない。不確定性原理の一つの形としてハイゼンベルグ・ワイルの不等式が有名であるが,そのウエイトを多項式からより一般的な関数に置き換えるなどの拡張が行われている。カルタン運動群に付いてはハーディの定理を得た(論文として発表済み)。指数増大度をもつウエイトにした場合には自明な関数以外,ハイゼンベルグ・ワイルの不等式を満たさないことがL^p版ハーディの定理であり,非可換な群である運動群でL^p版ハーディの定理が成り立つことを示した(論文投稿中)。 3 半単純リー群に関してはカルタン部分群の共役類が唯一つである場合およびSL(2,R)に対して,ハーディの定理が成立することがシタラム・スンダリによって証明されている。離散系列表現の漸近展開を応用することで,SL(2,R)の場合,シタラム・スンダリによる証明の別証明を得た。この方法が一般の半単純リー群への拡張を考える上で大きな役割を果たすと考えられる。
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