研究分担者 |
池畠 良 広島大学, 学校教育学部, 講師 (10249758)
仙葉 隆 宮崎大学, 工学部, 助教授 (30196985)
柴田 徹太郎 広島大学, 総合科学部, 助教授 (90216010)
永井 敏隆 九州工業大学, 工学部, 教授 (40112172)
水田 義弘 広島大学, 総合科学部, 教授 (00093815)
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研究概要 |
平成9・10年度の研究成果は以下の成果があがったので報告する.吉田は西日本工大の水谷および村本とともに,粘菌の形状形態を決定するKeller-Segel方程式系の自己相似解の解の存在研究をした.以前水谷-永井によって得られた解と違いここで得られた解はモース指数が高い解である.これより,この2種類の解はターニング・ポイントで結ばれていることを示唆しており,現在研究中である.この結果は,永井の科研費とこの科研費で開いたワークショップ「非線形拡散方程式研究会('98/2/13-2/14:九州工大)」で発表した.この成果はHiroshima Math.J.に投稿し,印刷中である.この結果は更に拡張出来て,球対称と言う強い条件を外す事が出来ることが最近分かった.この結果はまだ未発表であるが一応成果は出ているので,成果報告書の中で報告する.永井はJ.I.Diaz,J.-M.Rakotosonと共に,非有界領域における対称化問題を考察し,そこでの方法をKeller-Segel方程式系に応用している.仙葉は永井および大阪大学理学部の鈴木とともに永井-仙葉-吉田の結果:「初期条件が小さく球対称解のとき,Keller-Segelの解は爆発しない」をさらに発展させ,初期条件が小さく爆発がおきるとき,境界の近くに爆発点があることを見つけ,現在研究中である.この成果は上記の研究集会および京都大学数理解析研究所でおこなわれた「変分問題とその周辺('97/6/23-6/25:早稲田大学 理工学部 助教授 田中 和永)」および「第16回九州における偏微分方程式研究集会」(九州大学'99/2/3-2/5)で発表された.柴田は2つのパラメーターを含む非線形楕円型方程式に対する固有値問題を考察して,数々の結果を得ている.水田はBeppo Levi関数(ソボレフ関数)の積分表示を利用して,微分可能性を論じたり,多優調和関数の積分表示を与え,無限遠点での振る舞いを調べた.以上の成果は次ページの研究論文に発表されている.以上,当初予定していたKeller-Segel方程式系の自己相似解の完全な大域分岐の図式までには至らなかったけど,計画はほぼ満足する結果が出た事を報告する.
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