研究概要 |
1.楕円型方程式の振動論:退化Laplacian△_mu=div(lDul^<m-2>Du)を主要項に持つ方程式が振動的であるための有効な十分条件を確立した。手法は主として比較定理と常微分方程式の漸近理論(下記5)に依っている。その方法を更に発展させて連立系や平均曲率型の主要項を持つ方程式にも次年度は取り組むつもりである。 2.楕円型方程式の全域解の非存在定理:1と同様な手法で△_mや平均曲率型作用素を主要項に持つ楕円型方程式が正値全域解を持たないための(必要)十分条件を確立した。これらの結果を連立系に拡張する方法を現在模索中である。 3.半線形楕円型方程式に対するLiouville型定理:方程式△u+f(x,u)=0の正値全域解である種の増大(減哀)度を持つものは自明解に限られるというタイプの結果を得ることが出来た。方法はPohozaev型の(不)等式の解析に依っている。また、これに関連して、同じ方程式の解の対称性に関する研究も現在進行中である。 4.楕円型固有値問題について:上記1,2のテーマを解析する際に半線形楕円型方程式や常微分方程式の固有値問題の漸近理論が援用される。また、そのこととは独立にこれ自身も重要な研究テーマである。幾つかのパラメータを含む非線形固有値問題に対して固有値間の漸近的関係や固有関数の漸近的性質を明らかにした。 5.常微分方程式の漸近理論:上記1,2,4の解析においてはある種の自励系の常微分方程式の解析が必要となる。その一般化として3次元多様体上での非特異流について種々の結果を得た。
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