研究概要 |
研究分担者・協力者(高橋泰嗣,L・Maligranda(Lulea Univ.))と得た成果の概要は次の通りである。 1.Clarkson型不等式について バナッハ空間xに於けるClarkson不等式が,Lebesgue-Bochner空間Lr(X)にどのように遺伝するかを明らかにした。また,Clarkson不等式を満たすバナッハ空間Xに対して,Lr(X)でランダムClarkson不等式が成り立つことを示した。 2.von Neumann-Jordan定数(NJ定数)について) (1)Lp(X)のNJ定数,またc_p(p-Schatten classの作用素の空間)及びL_r(c_p)のNJ定数を決定した。 (2)NJ定数の自然な一般化として「n次NJ定数」を導入し,B_n-convex,また「Rademacher type>p」である空間を「n次NJ定数」を用いて特徴づけた。 (3)NJ定数と「James定数」,「正規構造係数」との関係を明らかにした。特に「NJ定数>5/4」からバナッハ空間の「一様正規構造」,特に「fixed point property」が導かれることを示した。 3.以上の成果の一部を日本数学秋季総合分科会,京都大学数理解析研究所研究集会,実解析学シンポジウム,第6回関数空間セミナー等で発表した。 また,以上の他 4.O.Christensen(Technical Univ.of Denmark)を招へい(1998年2月1日〜2月11日)し,フレームとバナッハ空間の幾何学的な性質との関わりについて研究し,一定の知見を得た.
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