研究課題/領域番号 |
09640220
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
仲田 均 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (40118980)
|
研究分担者 |
盛田 健彦 東京工業大学, 理学部, 助教授 (00192782)
由利 美智子 札幌大学, 経営学部, 教授 (70174836)
鈴木 由紀 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (30286645)
前島 信 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90051846)
塩川 宇賢 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00015835)
|
キーワード | エルゴード理論 / 自然拡大 / 数論的変換 / 正規数 |
研究概要 |
1.連分数展開の自然拡大とその幾何学的表現に関する研究については以下の成果が得られた。(1)さまざまな連分数展開の正規数(normal number)について、その関係についていくつかの結果を得た。まず、S-変換とよばれるクラスの変換からつくられる連分数展開の間では正規数であることはその展開によらないことを示した。異なった整数rに対してr-進展開に関する正規性が同値でないことに比べて、連分数の正規性が非常に強い概念であることを意味している。一方、「-」を用いた連分数展開の正規性はかならずしも「+」を用いた連分数展開(正則連分数展開)の正規性を意味しないことも示した。これらの性質を証明するために自然拡大の構成とそのエルゴード理論が本質的な役割を果たしている。(2)S-変換、ヘッケ群に付随する連分数を含む多くの場合に、ルジャンドル定数とレンストラ定数の同一性が自然拡大をポアンカレ平面の測地線のあるクラス上で考えることで証明した。また一般のフックス群の極限集合に対する問題への応用を現在研究している。これらの成果は近々論文として発表する予定である。 2.一般にFibred Systemの自然拡大に関する問題では、まず保測変換の自然拡大と非特異変換の自然拡大の概念の比較から研究を開始した。シュバイガ-の考えた変換のクラスでは確率論の極限定理の問題と深く関わっている。今年度の研究成果の一つとしてレニ-条件を持つFibred Systemの弱ベルヌ-イ性を自然拡大のシフト表現の観点から捉えたことがあげられる。また、非特異変換の自然拡大の概念をその保測拡大という形で定式化できることに成功しつつある。このことをマルコフ写像の平衡状態の問題とも関係していることをつきとめている。
|