研究分担者 |
永山 操 東京女子大学, 文理学部, 講師 (30237557)
谷山 公規 東京女子大学, 文理学部, 助教授 (10247207)
高村 多賀子 東京女子大学, 文理学部, 教授 (60086345)
近藤 武 東京女子大学, 文理学部, 教授 (20012338)
小林 一章 東京女子大学, 文理学部, 教授 (50031323)
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研究概要 |
(1)ユークリッド空間上の関数に作用するある形の多重線形作用素のHardy空間での評価について,ほぼ満足できる結果が得られた。扱った多重線形作用素は,いくつかの関数にCalderon-Zygmund作用素や分数階積分作用素を施してから積を作ることによって定義されるものである。このような多重線形作用素のHardy空間での評価について,以前に多くの研究者によって得られていた結果をすべて含むような一般的な結果が証明できた。とくに,その中の分数階積分作用素などの階数に制限がないことと,関数の個数が3以上の場合の条件が簡略なことは,これまでになかった新しい結果である。また,この中で得られた最大関数に対する各点毎の評価式は,このような多重線形作用素を様々なHardy空間型の関数空間で評価する際に応用されるものと思われる。 (2)シャープ最大関数を用いて,関数の各点毎の積に関して代数をつくる関数空間を構成することができた。この関数空間は,Sobolev空間が関数の各点毎の積に関して代数をつくる場合の臨界の場合にあたっている。この結果は,Sobolev空間には場合には臨界の微分可能階数のときは代数にならないという事実と比較して,興味深い。 (3)「実数直線上の関数で,その関数自身とそのFourier変換とがともにexp(-χ^2)より速く減少する関数は,恒等的に0の関数以外ない」という古典的なHardyの定理のひとつの一般化を証明した。これは当初の研究目的にはなかったことだが,その証明には正則関数の性質が使われており,今後,Hardy空間ともからんで,多変数への一般化など,おもしろい問題を提供する可能性がある。 (4)以上は主に研究代表者が中心になってまとめた成果であるが,この他に,分担者それぞれが様々の成果をあげた。そのうちのいくつかは裏面の「研究発表」に記した。
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