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1998 年度 実績報告書

高次元複素力学系の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09640232
研究機関大阪医科大学

研究代表者

西村 保一郎  大阪医科大学, 医学部, 助教授 (90156117)

研究分担者 上田 哲生  京都大学, 総合人間学部, 教授 (10127053)
安田 〓子  大阪医科大学, 医学部, 助教授
キーワード複素力学系 / iteration / Julia集合 / Fatcu集合 / Henon写像
研究概要

西村・安田は,2次元複素射影空間P^2上の双有理写像の力学系の研究を行った。有理写象の力学系研究では,正則写像の場合には現れない現象として,不定点の分布の問題,同次多項式による表示の次数低下の問題がある。これらの問題は,以前に我々が研究した2次多項式双有理写像族という比較的単純な写像族においても,既に問題となる。そこで,この写像族ψとその逆写像族ψの力学系の具体例を調べた。n回合成写像ψ^n,ψ^nの次数低下のメカニズムを調べ,また不定点の分布を具体的に記述した。このψ^nの場合には,不定点の集合は同次多項式表示の次数低下の際に表れる共通因子の定める代数曲線の交点の集合と一致することを示した。
西村は,複素2次元の力学系のソフト開発も手がけた。特に,iterationの計算を,射影空間の同次座標を用いて計算することが成功する例とうまく行かない例とを検討した。視覚化という点では余り成功していない。やはり複素2次元の対象を実2次元として視覚化しても,力学系の理解にはつながり難い。2次元の力学系でも視覚化が役立つような,特殊なcaseを探すことが重要であろう。
上田は,射影空間P^n上の複素力学系の研究を行った。特に,有限分岐的写像(critically finite map)の場合,すなわち分岐点の軌道が代数的集合となる場合に,ファトウ写像が定数に限られること,従ってジュリア集合が全空間に一致すること,また反発周期点の集合が射影空間内で稠密であることを示した。さらに射影平面P^2上の2次写像の分類を行い,有限分岐的写像の例を構成した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Tatsuo Ueda: "Critically fimite maps on projective spaces" The Journal of Geometric Analysys. Vol.8(未定). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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