研究概要 |
●大きなパラメータをもつPainleve方程式の指数漸近級数解の接続問題を記述する上で基本となるStokes幾何をI型,II型について決定し,III型については,具体的に与えたパラメータについて決定できることを示した. (青木) ●大きなパラメータをもつ3階線型常微分方程式の形式解の接続を記述するStokes幾何を決定するためのAnsatzを提出し,そのAnsatzに基づいていくつかの例についてStokes幾何を決定した.もとの方程式の解が積分表示を持つ場合,峠道の方法によって真の解の漸近展開を求め,その漸近解のStokes現象を峠道の位相的パターンの切り替わりとして捉えることができる.このようにStokes現象を積分表示から捉えて,Stokes領域(真の解と形式解がBorel変換を通じて1対1に対応する領域)を求めその境界としてStokes曲線を理解することができる。上述の方法で決定されたStokes幾何と積分表示から得られたStokes幾何が少なくとも数値実験的には整合的であることを示した. (青木) ●局所環の有限部分集合に対して超越性を計る尺度を導入し,とくに収束べき級数環において,ある種の特殊関数族に対しては,それが有限となることを示した. (泉)
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