研究課題/領域番号 |
09640244
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長田 博文 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (20177207)
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研究分担者 |
舟木 直久 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (60112174)
楠岡 成雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (00114463)
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キーワード | 自己拡散係数 / 無限粒子系 / Interacting Brownian motion / 流体力学極限 |
研究概要 |
Interacting Brownian motionの構成を係数が可測関数の場合に行った。 これは従来はupper semicontinuousの場合に行われていたが、この結果では係数が局所的にupper semicontinuousな関数によって上と下から押さえられるだけでよいという形で証明した。これによって満足のいくまで一般化できたとおもう。なお、対応するDiriclet formの間に一様な不等式が成立するわけではないのでこの結果は自明なものではない。この結果はある意味でAronson Moser Nash達による一様楕円かつ有界な係数を持つ熱方程式の話の無限次元での対応物だが、対応するDiriclet formの間に一様な不等式が成立するわけではないという点が根本的に違っている。拡散過程の構成に話を絞れば、条件を非常に局所化できるというのが要点である。 1次元のInteracting Brownian motionの自己拡散係数の正値性について、2つ以上の粒子と粒子が全く同じ位置にいるという事象に到達する確率が正であることが必要であるということを示した。あとこれが十分条件でもあると言うことを示せば面白い結果になるのだが、まだうまく行かない。 非対称なInteracting Brownian motionの流体力学極限については、(対称な)interacting potentialがないときには、非対称の効果が現れない、と言うことに気がついた。全く意外な結果で面白いと思うと同じに戸惑っている。流体力学極限の研究そのものについてはまだあまり伸展せず次年度にがんばりたいと思う。 2次元以上の場合、どんなに粒子の密度が高くても粒子が凸のhard coreをもてば自己拡散係数の正になるという結果についての論文を書き上げた。
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