研究分担者 |
玉野 研一 横浜国立大学, 工学部, 教授 (90171892)
寺田 敏司 横浜国立大学, 工学研究科, 教授 (80126383)
高野 清治 横浜国立大学, 工学部, 教授 (90018060)
斉藤 革子 横浜国立大学, 工学部, 助手 (50175353)
平野 載倫 横浜国立大学, 工学研究科, 教授 (80134815)
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研究概要 |
昨年度まで我々は,確率的な相互作用をする粒子系,具体的には,コンタクトプロセス,方向性のあるパーコレーションに対して,その相転移現象を解析するために,様々な相関不等式,或いは相関等式に関する研究を行ってきた.特に最近,Harris-FKG不等式より得られる相関不等式を更に精密化した新しいタイプの相関不等式(BFKL不等式)を得ることが出来た.このことにより,従来の様々な手法で得られていた,上記プロセスの生存確率やそれに対する臨界値が,系統的に且つある場合には容易に得られることが可能となった. 1.上記の研究対象であった,コンタクトプロセスや方向性のあるパーコレーションは,吸収的という性質を満たしている.一般に,吸収的なモデルに対する相関不等式は幾つか知られているが,そうではない非吸収的なモデルに対する相関不等式を発見することは,今後の課題の一つである.非吸収的なDKモデルに関して,Harris-FKG不等式が成立するかどうかについて,モンテカルロ・シミュレーションを行った結果,成立しそうであることが示唆された.そして,特別な場合には証明することが可能になったことは大きな進歩の第一歩と考えられる.しかし,BFKL不等式の成立に関しては微妙で,現段階では判断できない. 2.コンタクトプロセスや方向性のあるパーコレーションは,2状態の粒子系という立場から括ることが出来る.このような立場から,多状態の粒子系に対する相関不等式を発見することを課題とした.実際に,3状態の植生遷移モデルやサイクリック系に対してシミュレーションを行い,現在その結果を整理し,それに基づき数学的な証明を検討しているところである.
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