研究課題/領域番号 |
09640263
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小川 重義 金沢大学, 工学部, 教授 (80101137)
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研究分担者 |
土谷 正明 金沢大学, 工学部, 教授 (50016101)
高嶋 恵三 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (00137184)
金川 秀也 山梨大学, 教育学部, 助教授 (50185899)
樋口 保成 神戸大学, 理学部, 教授 (60112075)
中岡 明 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (90027920)
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キーワード | 非線形拡散 / 確率数値解析 / SDEモデル / 多粒子系の力学 / Burgers like processes / 有限差分法 / 擬似乱数 |
研究概要 |
平成9年度の主な目的は、非線形拡散現象の中でも特に、乱流拡散等の数理物理学に頻出する「半、或いは、準線形拡散」現象の確率論的モデルの構築とその理論的解析である。代表者及び各分担社者共に、それぞれの分担課題と取り組み、別紙に上げたような結果を得ている。一例として小川(代表者)の場合、それまでの非線形SDE(確率微分方程式)の数値近似に関する研究を発展させて、以下のように新しい結果を得ている。 [1]SDEモデル:現象の確率的モデルとして単独の非線形SDEを用いているが、差分法による実際の数値解析においてはこれを、N-個の多粒子系の相互干渉モデルとして再定式化したものを基に実験を行ってきた。今回は、手順の確認と公開の為に、この間の理論的詳細を纒め発表することにした。 [2]弱収束性:それまで非線形SDEについては数値近似解の弱収束性に関する結果は知られていなかったのであるが、S.OgawaとA.Kohatsu-Higaは[1]で述べた、Euler-Maruyama近似解が弱近似解として1次の収束の速さを持つことを示した。 [3]Burgers Processの数値近似:上のSDEモデルはBurgers方程式を含む更に一般的な準線形拡散現象に対応するSDEとは距離がある。しかし、その強解は後者の解(Burgers like process)が近似解になっていることを示した。 以上は全て依然として数学的結果であるが、これによりBurgersよりも更に一般的な非線形現象に対しても確率的数値近似の道が開かれたことになる。尚、代表者及び分担者はそれぞれの得た結果を早速、その年度に開催された関連する国際会議(4件)において発表し、海外の研究者とも多くの有用な研究交流を行った。
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