研究概要 |
有限体上の語長n,次元k+1のMDS符号から有限体上のk次元射影空間におけるn-アーク(一般の位置にあるn点集合)が定まり,逆もまた成り立つ.この意味でMDS符号とアークを同一視するとき,自己同型群は同型である. 1. 研究成果(詳細は成果報告書の論文参照) (1) 複素数体上で定義された非特異n次平面曲線が最も対称的であるとは,射影自己同型群の位数が非特異n次曲線中で最大であることと定義する.n=3,5,7なら最も対称的な曲線はFermat曲線と射影同値である.n=6なら最も対称的な曲線はWiman6次曲線と射影同値である.n=4ならKlein4次曲線が最も対称的であることは良く知られていた. (2) Klein4次曲線,Wiman6次曲線の変曲点集合からそれぞれ24-アーク,72-アークが得られる.曲線の自己同型群はそれぞれ単純群PSL(2,7),PSL(2,9)=A_6であるが,それらは対応するアークの自己同型群でもある. 2. 今後の研究課題 (1) 種数gのコンパクトRiemann面が最も対称的であるとは、正則自己同型群の位数が種数gのコンパクトRiemann面中最大であることと定義する.種数3のときKlein4次曲線が最も対称的であることは良く知られている.種数10のときWiman6次曲線が最も対称的か? (2) 空間代数曲線と(MDS)符号の関係. (3) 1(1)と同様の意味で最も対称的な超曲面を決定すること. (4) (単純)有限群を与えてその射影表現によって不変な超曲面から(MDS)符号を構成すること.
|