研究課題/領域番号 |
09640276
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
伊藤 正幸 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (70136034)
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研究分担者 |
香田 温人 徳島大学, 工学部, 助教授 (50116810)
村上 公一 徳島大学, 総合科学部, 講師 (90219890)
深貝 良暢 徳島大学, 工学部, 助教授 (90175563)
成川 公昭 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (60116639)
山田 義雄 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20111825)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | p-ラプラシアン / ∞-ラプラシアン / 極限固有値問題 / ポアンカレ不等式 / 退化楕円型方程式 / 反応拡散方程式 / 時間遅れ方程式 / 爆発 |
研究概要 |
非線形現象の解析を主な主題とした、2年間に及ぶ研究において、我々が得た主な成果は、以下の通りである。 1. ラプラス作用素の数学的に自然な非線形拡張として、作用素p-ラプラシアンがある。この作用素またはその摂動系は、弾性膜の平衡モデル、フラックス勾配に非線形依存する拡散現象モデルなどで注目されきた。またpが無限大の極限状態は、数学的にも工学的にもさらに興味ある問題となる。p-ラプラシアンの固有値問題は、変分問題的な定式化可能で、数学的にかなり研究されてきた。我々はこの問題のp無限大極限に注目した。もともとp-1は方程式の次数でこれを無限大にした極限問題は変分的定式化の枠からはみ出すので、粘性解の概念を導入して定式化に成功した(伊藤、成川、深貝)。これは強い退化性を持つ作用素に対する新しいタイプの固有値問題で、今後注目されるものと思われる。 2. p-ラプラシアンを拡散項に持つ反応拡散系は人工圧力を考慮した生態モデルである。この単一種モデルの初期値問題の解の大域的一意性を示し、定常解集合の構造を研究した。一方線形拡散の3種系協調型競合拡散方程式の共存解存在のための必要十分条件を求め、共存解の大域的安定性を示した(山田)。 3. 時間遅れのある高次元微分方程式について、平衡点が局所的な安定性を失い、分岐周期解が発生するパラメタ条件を固有値の解析より求めた。さらに関数空間の分解やHopf分岐解析を使って、発生する分岐周期解の表現を具体的に求めた(村上)。 4. 放物型方程式の解の爆発について初期値に対する新しい十分条件をまず考えた。そしてこの条件の下で爆発時刻付近での解の挙動に関する結果も得た(香田)。
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